さて、美容室向け記事の日です。
なぜか最近ニキビケアについての資料?発表が多いのでまとめてみました。
目次
ニキビへのエネルギーベース療法は有効
尋常性ざ瘡(ニキビ)に対するエネルギーベース療法と低用量イソトレチノインの併用による治療効果を検討した後ろ向きコホート分析の結果が6月20日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。
中等度から重度の炎症性ニキビに対する全身イソトレチノイン治療を3か月以上受けている126人を対象に、フラクショナルマイクロニードル高周波、パルス色素レーザー、アブレイティブフラクショナルレーザーなどのエネルギーベース(EBD)療法を受けたグループと受けなかったグループに分けて臨床転帰を評価した。
その結果、修正グローバルニキビ評価スコアはEBDグループで35.1±17.2、非EBDグループで25.6±10.1減少した。ニキビ重症度の改善は、非EBDグループよりもEBDグループの方が有意に大きかった。イソトレチノインの累積投与量と薬物関連副作用の頻度は、EBDグループよりも非EBDグループで有意に高かった。
ニキビ痕へのFMR治療で顔の皮脂生成も減少
フラクショナルマイクロニードリング高周波(FMR)のニキビ痕への効果を調査した結果が、6月1日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。
FMRは良好な結果とダウンタイムの短さで、ニキビ痕への治療に人気がある。今回の研究は、FMRが顔の皮脂生成を減らる効果があるのかを中心に調査を実施。1か月間隔でFractora® 24-pin coated tipによる治療を3回施行する単一施設前向き評価者盲検試験を行った。試験の評価は、皮脂分泌計測(Cutometer®を使用)、皮脂腺組織学、および被験者評価で行った。治療後のニキビ痕は、Echelle d’Evaluation clinique desCicatricesd’acnéスケール、Goodman and Baronの定性的評価システム、痕の面積・体積測定、および被験者評価で評価した。
その結果、皮脂分泌には最初の治療後に有意な減少が見られ、試験期間を通して持続した。皮脂生成は最大15.4%減少した。組織学的評価は、皮脂腺の密度とサイズの減少を示した。平均メラニンレベルの有意な増加なしに、平均ニキビ瘢痕体積が有意に減少した。Fractora® 24-pin coated tipはニキビ痕治療と同時に顔の皮脂を同時に減らしたい患者に効果的と考えられた。
カタツムリ・キンセンカ・カンゾウ含有のニキビ新処方
マスク関連ニキビに対する新処方の効果を検討した試験結果が6月28日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。
新型コロナ蔓延中にフェイスマスクの使用が増加し、それに伴うニキビの発生が問題となっている。今回の試験ではカタツムリ分泌ろ液、キンセンカ(Calendula officinalis)、およびカンゾウ(Glycyrrhiza glaba)根抽出物を含んだ新処方のマスク関連ニキビ「maskne(マスクネ)」治療における有効性と安全性を評価することを目的した。軽度から中等度のマスク関連ニキビのある66人を対象に、この新処方を1日2回12週間使用する無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施。ニキビ病変数および重症度、皮脂レベル、角質測定レベル、経表皮水分喪失(TEWL)、Visia®による紅斑スコア、および有害事象をベースラインから12週まで4週間ごとに評価した。12週目には、すべての被験者に10ポイントの視覚的アナログスケール(VAS)を使用して満足度スコアを評価した。
その結果、新処方グループの炎症性ニキビ病変の減少率は、すべての時点でプラセボグループよりも有意に大きかった。非炎症性病変、すべての皮膚生物物理学、およびVASにグループ間の有意差はなかった。いくつかの軽度な有害事象は両方のグループで発生しました。今回の新処方は炎症性にきび病変を有意に改善し、良好な忍容性プロファイルを示し、マスク関連ニキビの補助療法として有用であると示唆された。
IPLとAHAの併用、ニキビに効果高い
尋常性ざ瘡(ニキビ)治療におけるインテンス・パルス・ライト(IPL)と組み合わせたアルファヒドロキシ酸(AHA)の有効性を検討したメタ分析の結果が6月28日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載された。
PubMed、Web of Science、Cochrane Library、Embase、Wanfang、CNKI、SinoMed、VIPなどの大規模生物医学データベースを検索し、18件の文献(ニキビ患者1435人))を特定、メタ解析の対象とした。
その結果、IPLと組み合わせたAHAグループでは、対照グループよりも全体的な有効性が高いことが示された。IPLと組み合わせたAHAグループとAHAのみのグループとの比較で、有効性にに顕著な差が見られた。IPLと組み合わせたAHAは、IPLのみよりも効果的だった。副作用の発生にグループ間差はなかった。IPL療法と組み合わせたAHAは他の療法よりも優れていた。多少高価とはなるが、効果的で幅広い用途があると考えられた。
ニキビにカルシポトリオールクリームが効果
尋常性ざ瘡(ニキビ)への新しいツールであるカルシポトリオールの効果を検討した顔分割前向き試験の結果が7月5日、「Dermatologic therapy」オンラインに掲載された。
レチノイドとカルシポトリオール(活性型ビタミンD3誘導体)は、ケラチノサイトの増殖と分化を調節する。レチノイドは角質溶解作用と抗炎症作用によりニキビ治療に使用されているが、カルシポトリオールの効果は報告されていない。
今回の研究では、ニキビ患者40人の顔の右側と左側に分けて、それぞれ局所カルシポトリオール(0.005%)クリームと0.1%アダパレンゲルで治療を実施した。治療開始の2か月後に臨床的および組織学的有効性を評価した。
その結果、すべてのニキビ病変は有意に減少し、顔の両側ともに医師および患者による全体的な評価スコアが大幅に減少していた。両側に有意差はなかった。組織学的評価では、炎症性浸潤物の密度が有意に減少し、これは右側でより顕著だった。局所カルシポトリオールにはアダパレンと同等の抗炎症効果が認められた。
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色々発表されましたね。
正直、ほぼニキビと無縁なのであまり分かりませんが・・・
ぜひご参考に。