さて、火曜日。
今回はかなりケミカルなお話し。
タカラベルモントからメデュラ内に超硫黄分子を確認
タカラベルモントは、同社化粧品研究開発部が超硫黄分子がオルト様コルテックスと同様の領域に分布し、ブラックメデュラに豊富に含まれることを確認した、と2025年3月18日発表した。
超硫黄分子は、ジスルフィド結合やチオール基に、さらに複数の硫黄原子が直鎖状に結合した構造を有する物質の総称で、メデュラ内にあることから、髪のしなやかさや、くせなどの髪質に寄与する可能性が考えられ、髪質改善方法の開発が期待できる、という。
図1:コルテックスにおける超硫黄分子の局在この研究は、2024年11月に開催された「第2回日本化粧品技術者会 学術大会」、2025年2月7日に開催された「第15回毛髪科学研究発表会」で発表された。
【要点】
超硫黄分子は、ジスルフィド結合やチオール基に、さらに複数の硫黄原子が直鎖状に結合した構造を有する物質の総称です。生体内では抗酸化、細胞保護、抗炎症、感染防御など様々なはたらきが発見されており、昨年毛髪内でもその存在が確認されました。①コルテックスにおける超硫黄分子の局在
パラ様コルテックスとオルト様コルテックスを染め分けることができるFS-SR101染色の結果とSSP4染色の結果を比較したところ、SSP4染色の蛍光パターンは、オルト様コルテックスを示すSR101の蛍光パターンと類似していました。超硫黄分子は、オルト様コルテックスと同様の領域に存在することが分かりました。(図1/上)②メデュラにおける超硫黄分子の局在
メデュラにはSSP4染色の蛍光強度がコルテックスやキューティクルよりも強い領域が存在しており、メデュラの一部に非常に多くの超硫黄分子が含まれていることがわかりました。(図2)
図2:メデュラにおける超硫黄分子の局在メデュラありの毛髪はメデュラなしの毛髪に比べて、超硫黄分子を約1.2倍多く含むことが分かりました。(図3)
図3:超硫黄分子の定量値比較(メデュラの有無)空隙が多いブラックメデュラ (黒M) と空隙が少ないホワイトメデュラ (白M) での比較では、ブラックメデュラの方が超硫黄分子を多く含むことがわかりました。(図4)
図4:超硫黄分子の定量値比較(ブラックメデュラ、ホワイトメデュラ)③超硫黄分子導入部位の可視化
超硫黄分子が失われた毛先に超硫黄分子の導入を行い、SSP4染色の結果を観察しました。その結果、もとから超硫黄分子を多く含む根元の蛍光パターンに近づくことが分かりました。毛髪には超硫黄分子が存在しやすい環境があり、導入ではそのような領域に供給されていることが考えられます。(図5)
図5:超硫黄分子導入部位の可視化
【研究結果】
超硫黄分子がオルト様コルテックスと同様の領域に多く存在することが判明したことにより、毛髪の柔軟性やしなやかさ、くせに影響を与えている可能性が考えられます。また空隙の多いブラックメデュラの方が多くの超硫黄分子を含んでいることが明らかとなり、メデュラの構造形成に超硫黄分子が関与していることが考えられ、メデュラに知見がある当社として、超硫黄分子とメデュラとの関係を引き続き調べていきたいと考えています。さらに、外部から導入した超硫黄分子は、生来の超硫黄分子と類似した分布パターンを示したことから、毛髪が元来持っている結合であり重要な成分である超硫黄分子は、失われても我々の手によってもとの状態に回復できる可能性を見出しました。
すっごい簡単に書くと
メデュラの中に新しい分子を見つけて
うまくいけばワンチャン、クセを抑えられたりの髪質改善的な効果の商材を今後作れるかも
ということです。
まだ人体に関しては謎だらけですからね。
ただ、今後もしかしたら髪の毛の中にもっと小さな分子、原子?が見つかっても、小さすぎるのでそれを商材にしてもなかなか効果は出ないのかなと。
ぜひご参考に。