さて、火曜日。
美容師さん向け記事ですね。
今回はこちら。
ミルボンが損傷毛髪のキューティクル機能を回復、持続させる技術を開発
【研究背景】 毛髪の約 85%を占めるタンパク質がヘアカラーなどによって損傷すると毛髪の強度が低下し、切れ毛や枝毛を引き起こ します。このような課題に対して、ミルボンではこれまでにフェノール化合物*1 を介してタンパク質同士を架橋することで、損傷 した毛髪内部のタンパク質を修復する技術を開発しています(図 1a)。 20201120_News_release_protein_crosslinking.pdf (milbon.com)
髪を美しく健やかな状態に保つためには毛髪内部だけでなく、指通りに影響を与える毛髪表面の状態も重要です。毛 髪表面には脂質が存在していますが、ヘアカラーなどの施術によりこの脂質が失われると、表面の潤滑機能が損なわれ、指 通りが悪化します。対処のためトリートメントなどで毛髪表面をコートし指通りを改善する方法が一般的ですが、コート成分 は日々の洗髪で洗い流され、持続しにくいことが課題でした。 そこで今回は、洗髪に対して耐久性が高い毛髪表面ケア製品の開発を目指し、フェノール化合物による架橋技術を応 用し、脂質成分を毛髪のタンパク質に架橋させ、毛髪の指通りを改善する技術の開発に取り組みました(図 1b)。
図 1 毛髪における、タンパク質架橋技術のイメージ図 (a) タンパク質同士を架橋(これまでに報告済み) (b) タンパク質と、キューティクルの潤滑機能を回復させる脂質成分の架橋(本研究の取り組み) – 2 –
【研究成果】 脂質成分フィトスフィンゴシン*2 をフェノール化合物と共に処理することで、毛髪の潤滑性が向上し持続することを確認 健康な毛髪表面には、キューティクルの潤滑機能を担う 18-MEA*3 という脂質成分が存在します。この 18-MEA に類 似し、かつフェノール化合物を介してタンパク質と架橋形成が可能な化学構造をもつ成分を探索しました。 その結果、脂 質成分の一種であるフィトスフィンゴシンをフェノール化合物と共に毛髪表面に処理すると、ブリーチ毛の潤滑性が高まること がわかりました(図 2) 。さらに、 この潤滑性は、洗髪処理後も持続していることが確認できました。
図 2 毛髪表面の潤滑性と、洗髪処理に対する耐久性 固体表面の潤滑性を示す吸着エネルギーを原子間力顕微鏡(AFM)*4 にて測定した結果。 フィトスフィンゴシンのみを処理した毛髪では、処理直後は潤滑性が高まるが、洗髪処理後は潤滑性が下がる。 フィトスフィンゴシンをフェノール化合物とともに処理すると潤滑性が高まり、洗髪後も持続する。
【今後の展望】 ヘアカラーやブリーチ、ヘアアイロンなどで損傷した毛髪のキューティクルの潤滑機能を回復させ、心地よい指通りが続く高 効果ヘアケア製品の開発を目指します。
損傷毛髪のキューティクル機能を回復、持続させる技術を開発 ~脂質成分を毛髪表面タンパク質に架橋させ、潤滑性を向上~
ということですね。
18MEAの親戚的なもので、今までのように内部での架橋ではなく、キューティクル付近で架橋させる技術ということですね。
製品化することで指通りがよくなるのではないでしょうか?
ぜひご参考に。